映画「ブルックリン」を観て感じたこと
私の趣味は映画鑑賞です。
あくまで趣味程度なので、TS〇TAYAなんかでピックアップされている隠れた名作なんかを自宅で見て、映画通になったような気になる程度の知識です。
1年に50作品(週に1作ペース)観ているかどうかくらい。
基本一人で見るし、あまり人に対して映画の感想を語ったりしないし、底の浅い感想しか言えないのが恥ずかしい。
だけど今日はすこーしだけ、語りたくなったので、書いておきますね。
ちなみにめちゃくちゃネタバレをするので、この予告編を見て、気になった方は、以下は見ないでくださいね。。
〈あらすじ〉
〜2つの国。2つの愛。だけど心は1つ。〜
1950年代、不況のアイルランドから仕事を求めて、一人の女性がアメリカブルックリンへ渡る。
母親や姉を祖国に残し、慣れない土地に戸惑いながら、彼女の生活は軌道に乗り、
素敵なボーイフレンドも出来る。
しかしある日、彼女に突如試練が降りかかる。
彼女がした選択とは・・・
主演は史上7番目の若さでアカデミー賞にノミネートされた「つぐない」のシアーシャ・ローナン。本作でも主演女優賞にノミネートされるなど、演技が高く評価されている。
※以下ネタバレ注意(英語ではSpoiler Alertって言うらしいですよ)
〈感想〉
まず、この映画を「観たい」と思ったのは、主人公の境遇的なものが自分にすごく重なったからです。
東京と地元、二つの暮らしは持てない。
過去の日記であーだこーだ書いてきた通り、何がいいのかわからないまま生きているので、この映画の主人公の選択が、私の人生のヒントになるんじゃないか、なんて期待をしたわけです。
結果。
納得いかない。納得いかないよぅ!!!!!
大雑把なストーリーは
①主人公がブルックリンへ行く。
②戸惑いながらも生活を組み立てていく。
③イタリア系移民のイケメンといい感じになる。
④姉が急死する
⑤イケメンと結婚する。
⑥一人祖国へ戻る。
⑦アイルランドのイケメンといい感じになる
⑧アメリカと祖国、どちらを選ぶか悩む
⑨意地悪ばあさんに既婚者であることをバラされそうになる
⑩母へ結婚を告白する
⑪ブルックリンへ戻りイタリア系移民のイケメンと抱き合う
⑫エンドロール
まず、自分が納得いかなかったのは、もう結婚しちゃった時点で、
選択も何もないやん、っていう、主人公の自分勝手加減。
たしかに、映画冒頭は、不景気ゆえに主人公が意地悪ばあさんの商店でやむなく働くシーンから始まるし、アメリカで暮らさなかったら見えなかった故郷の良さもある。
更にアメリカで学んだ簿記(劇中ではBook keepingが簿記と空耳して面白い)が、姉が生前務めていた職場の手伝いに役立ち、「ぜひ働いてくれ」とまで言われたりもする。
そして既に父を亡くしている母は、娘を亡くし、もう一人の娘も遠い海を隔てた国に居る。
そんな中、祖国で素敵なイケメンと出会い、更には親もその良縁を望んでいる。
こうやって書き出すと、確かに迷う、悩むでしょう。
だけど、結婚しちゃっていることをひた隠しにしたり、あんまり悪びれてもいないし深い葛藤を読み取ることは、自分には出来ませんでした。
しかも、⑨で意地悪で噂好きで、「人を貶める理由」すら分からなくなっているおばさんに、結婚の事実を元にゆすられた時の行動が分からない。
「あっそ、やっぱ田舎ってこういうとこ最低よね。そうよ、結婚してるわよ。・・・で?」
と開き直り、速攻でアメリカ行きの乗船券を予約。
母親にカミングアウトしたのち、しれっと旦那とブルックリンの街角で抱き合い、終了。
ねえ、ついさっきまで、母の希望とかも考えながら揺れていたんじゃないの?
「立つ鳥跡を濁す」じゃん。田舎の狭くて陰湿なコミュニティに一人残された母親はどうなるの?後ろ指刺されまくるよ?
自分さえ良ければそれでいいの?
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ということで、自分と主人公を重ねてみてしまったために、壮大な拒絶反応が起きてしまったのでありました。同じ悩みを共有できるんじゃないか、なんて思ってしまったのがいけない。東京と地元の対比じゃ陳腐に見えるかもしれないけれど。
映画の全体の雰囲気や役者さんたち、その他もろもろ凄くいいものではあるんです。
ただ、どうしても主人公目線で考えた時には、納得がいかなくて、モヤモヤした思いを抱えてしましました。
ただ、何かに対して苛ついたり怒ったりする時って、裏を返せば本当は好きだったり、はたまた自分に対しての苛立ちを置き換えていたりしますよね。
だから、もしかしたらだけど、「自分勝手」に見える主人公の自由さみたいなものに、気を遣いすぎたり、気落ちがはっきりしない自分が浮き彫りにされて、痛いところを突かれたのかもしれません。
そんなこんなで、感想おしまい!
お読みいただきありがとうございました!!