悩まない ≠ 悩みがない
「お前って、悩みとかなさそうだよな。」
私が今よりもっと世間に唾を吐いていた頃、大学の先輩からそう言われた。
後日、文字通り和やかに和解したけれど、決して軽はずみに言われたくないセリフだと思った。
自分は言わないようにと、自戒の気持ちが今でも残ってる。
あれから何年も経って、当時の悩みの大半は忘れてしまったけど、「悩みがなかった」時はただの一度もなかった。
------------------
最近の話を。
実を言うと最近はほとんど悩んでいない。
すぐ解消されそうな小さな悩み。
過去にも乗り越えた事がある悩み。
仕事でどうしても悩まないといけない悩み。
そんなところ。
それ以外は考えてない。
ふと気づいたら、最近の口ぐせは、
「うわぁ… 難しいですねぇ…」だった。
その言葉を発した段階で即座に、
「難しい、難しい、考えたらしんどい、だから考えない、考えない、無視、無視、ああ今が楽しい…」
という思考回路を辿るようになっていた。
悩んでも仕方のないことに囚われるのは辛い。
悩むのは苦しい。
悩まないことで色々無視していること。
たとえ向き合わなくても、当面はそのまま進んでいけそうだ。
……でも「当面」っていつまで?
要するに、
「で、お前これからどうすんの?」
という自問にどう向き合うか、という話。
-----------
悩みに限らず、一度経験すると2度目のハードルが下がる事柄は世の中で圧倒的に多い。
振り返ると悩みなんてなかったくらいにさえ思える時があるのは、当時悩んで考えて、選択をしてきたからなのだと思う。
今のまま考えないでいると、解決やブレイクスルーに繋がらない、ような気がする。
最終的に現状維持を選択しても全然構わない。
ただ、時間が解決してくれる時もあれば、ただ埃をかぶって可能性が奪われて、より困難になる事もある。
気づいたら取り返しのつかない状態だったり、より悪い方向へ広がってるかもしれない。
もしもそれに納得出来なかったら?
そして、それに気づくのが遅かったら…?
そんな事を考えている。