枕を濡らす日々
暑い季節が続いていますが、皆様はお変わりないでしょうか。
私はこの地域ではまだ少数派のエアコン付き住宅に住んでいるので、そこそこ元気に過ごせています。
だけど冷たいもの食べ過ぎちゃったりなんかして、たまにお腹の調子を悪くしたり。
そしてビアガーデンが終わるこれくらいの時期を境に、どんどん涼しくなって秋の訪れを感じ始める頃合いでもあります。
そんなこんな言っても夏は夏。
寝ているとたっぷりと汗をかきます。
何度も言って申し訳ないけれど、我が家にはドラム式洗濯機があり、そのおかげでリネン類もまとめて洗って、仕上げだけ乾燥かけて、フワッとした布団で寝ることができます。
けれど、新調して日の浅い、枕本体だけはしばらく洗っていませんでした。
それは某お値段以上の家具量販店で買った、ホテル仕様とかなんとかいったもの。
適度な弾力と桃を触っているような手触りで、それが3,000円しないくらいの値段で手に入ってまあまあ満足していました。
それに汗っかきの私にとって、洗濯機で洗えるというのは非常に魅力的な商品。
カバーはこまめに洗っていたけれど、流石にこのシーズン、一度も洗わずに乗り切るのは衛生的じゃないな、ということで、簡単に洗濯表示を見てから、ネットに入れて手洗いモードで洗濯開始。
1時間くらいして、洗濯機周辺から何かを殴るような音が数回した後、ピー、ピー…とエラーを知らせる音が。
どうやら洗濯物が偏った時に鳴るエラー音だったらしく、脱水の途中でストップしていました。
「まあこんなこともあるよね」なんて思いつつ、脱水だけ設定して再度回しても、どうやってもエラー停止。
ため息をつきつつ枕を取り出したのですが、その時に私は初めて事の重大さを認識したのです。
「枕、めっちゃ重い…」
そうです、枕は水を吸いに吸い、大きさからしてもまあまあ成長した乳飲み子のような重量感だったのです。
場所を浴室に移し、床で枕を押しながら手で絞ると、生まれて日の浅い新生児くらいまでは軽くなったものの、洗濯機はまだエラー表示。
やむを得ず一晩かけて吊り干しをすることに。
嫌な予感を抱えつつ、「二トリ 枕 ホテルスタイル 乾かない」で検索すると、私と同じ窮地に陥った人のブログを発見。
その人も洗濯はしたものの、いつまで経っても乾かず、37℃の屋外に7日間天日干ししてもちょっと湿っている、という驚愕の体験を記していました。
「ああ、これは無理だ。奥の手を使おう。」
私だっていい大人。カラダだけが大人になったわけじゃない。
ウチの人生、伊達じゃないし、損切りは早めに。ちゃんとトラブルに対処できる私、マジローズクォーツ。
ニッチもサッチもいかないので、洗濯表示では禁忌とされている、乾燥機にぶっ込み、1時間。
「あれだけ脱水は嫌がっていたのに、乾燥なら受け容れるとか、とんだ淫乱野郎だな(オラオラ)」
とかふざけたことを思いつつ仕上がりを確認すると、「あ、結構いけてる…!!!(歓喜)」という状態に。
流石に推奨されていない方法なので、桃のような手触りは若干スポイルされたものの、触った感じ、水の気配がなくなっている…!!
文明の力なめんなよ、と思いつつ、念のため二晩ほど吊り干し。
ちなみにここまでで洗濯してから3日経過しているのですが、その間は先代の枕を使っていました。
先代の枕は低反発素材で洗濯機で洗えて、午前中に洗ったらその日の夜には乾くくらいの逸材でした。
けれども高さが合わなくって、首や肩が痛むようになって、買い替えた経緯があったのです。
案の定3日使うと、首とか肩に違和感が。
だからようやく現役枕に帰還できることになったその晩は、喜びや安堵でいっぱいだったのです。
就寝して少し時間が経った頃、私は気づきました。
「乾いてない……」
そう、枕は乾いていなかったのです。あんなにさも、「え、もう乾いてますけど?」みたいな感じを出していたのに、私のそこそこ大きい頭部の重みに呼応するように、最深部に潜んでいた水分を滲み出させて来たのです。
まさか洗濯機でも出来なかった脱水を、己の後頭部ですることになるとは。
もしかしたら洗濯表示とかに書いてある「優しく押して脱水してください」の最適解は、私の後頭部だったのかもしれません。
そんなこんなで、吊り干しに逆戻り。
まだどこかにあいつ(水)が潜んでいるんじゃないか。そんなバルサンした後のGみたいなことを考えていたら、もうすぐ7日が経とうとしています。
今は右肩が痛いです。