地方都市にUターン就職したゲイのはなし
昔ある人がブログの記事で、「地方に住むゲイ」について書いていた。
もうその記事は読めなくなってしまったけれど、就活で東京に残るか地元に帰るか迷っていた自分は、何度もその記事を読んでいた。
結局最後まで自分で決めることが出来なくて、うまいこと1か所だけ地元の採用が決まり、流されるように地方都市へUターンをした。
あれから数年が経って、当時考えたことや、今思うことを漠然と書いていこうかなと思う。
「へえ、こんなこと考えてんだ」程度に示せるものになれたらうれしい。
〈大学生だったころ〉
大学進学で東京の端っこに行き、そこで初めてこっちの人と会った。
就活時期になって、自分が東京、地元を決めきれなかったのは、「自分が何をしたいのか、分からなかった」から。
なんとなく楽しそうだから東京に居たい。気楽だから東京に居たい。格好いい人が沢山いるから東京に居たい。交友関係が出来てきたから東京に居たい。
親の世話をするために、遅かれ早かれ地元に戻ることになる。
親が年老いた頃、自分は少なくとも30代半ば以上の年齢。
その年に転職するリスクは。また、その年で地元のゲイ友0の状態から交友関係を広げる難しさはいかほどか。
自分が東京に居続けるとして、親のこれまでのコミュニティを全部切り取って東京へ呼び寄せられるのか。いざとなったら全部が自分に降りかかってしまうのではないか。
自分も親も、それはしんどいんじゃないだろうか・・・
「結局いつまで経っても自分では決められない。だったらもう採用された方へ行こう。」
・・・と考えていたら、見事に1か所しか受からず。
〈就職1年目〉
「これからこっちで生きていくんだから、こっちの生活を大事にしよう。だから東京へ戻りたいとか言わないようにしよう。」
4月の頭にそう考えた。
…だけど4月の半ばにはもう「東京戻りたい」と言ってた。
単純に「社会人」という生活ペースが掴めなかったのもあるし、忙しくて「リアル」的なものを全然出来なかったのもある。
「地方はヤリ目しかいない。純粋に休日に遊べるような友だちを欲してる人は全然いない」
「せめて30歳までは東京に残って存分に遊んでから、転職でUターンしてもよかった。」
「無理やりでも東京にしがみつけばよかった」・・・・
〈2〜3年目〉
社会人のペース的なものに慣れてきて、交友関係も少しずつ出来てきた。
ただ、どこかすごく焦っている自分がいた。
「まだ自分は若い。ただ、いつまでも若さが続かないんだって事は分かってくるくらいの若さだ。」って口癖のように言ってた。
それから「自分はどうありたいのか」を悩み続けてた。
「もし本当に東京に戻るなら、30歳までには転職しないと。でもまた地元に戻るなら2回も転職しないといけない。」
「そもそも東京で自分は何をしたいの。」
「自分はどうありたいの。何がしたいの。」
「ああ、何処でも食っていけるような、スペシャリストになりたい」・・・
「そもそも東京で、何をしたいの?」
この問いに全く自分は答えられなくなっていた。
会いたい人は沢山居る。だけど、東京に居た頃から頻繁に会っていた訳じゃない。
数か月に1度、遊びに上京するので事足りるじゃん。
また、2、3年という年月は、人間関係が変化するのに十分すぎる時間だった。
「自分 対 1人」の交友関係は続いていても、「仲良しグループ」だと思ってた人たちがそれぞれ疎遠になっていたり、それを知らずに声かけしちゃった自分の無神経さを痛感したり。
〈2016年6月現在〉
重いっ!!!!!!!!!!!!!
暗いっ!!!!!!!!!!!!!
エール的な文章書こうと思ったのに、やたら辛かったことばっか書いちゃったよもう。
でもまあ、しくじりから学ぶじゃないけど、為になるものがあったらいいな。
あとは4年目に突入した今、自分がボンヤリ思ってることをだらだらと。
①迷うなら30歳までは東京に居てもいいんじゃない?
ほら、夢を追うなら30までって昔から言うじゃないすか。
あれって結構正しいのかもしれないし、まさか自分自身にも降りかかるセリフとは思わなかったよね。
よほど高齢出産じゃない限り、30歳なら親もまだ自分で暮らせてる可能性は高いですし。
自分は「自分の気持ち」が未確定だったけれど、もし何かしらの意志があるならば、その意志を尊重して欲しいと思う。
親も子の幸せを願う、ってよく言いますし。
②東京って実は何もなくない?
地方都市 対 東京 で見た時に、物質的な面ではさして不自由しないんじゃないかっていう疑惑が自分の中で大きくなっています。
これが純然たる「地方」だったら大きく変わってきますけども。
そして何回か東京へ旅行して思ったことは、「意外に東京の観光地って少ない」んじゃないか疑惑。
新しいものは人より先に体験しないと気が済まないとか、よっぽど千葉の商業施設が好き、とかでない限り、何度も行く観光地ってないような気がするんだよね。
③人に会いに行くために、東京へ行く。
物質的にも不自由はないし、あえて観にいくような所はない。
じゃあ何故こんなに東京に惹かれるのか。
それはやっぱり圧倒的なゲイ人口なのでしょう。
すっごいニッチな趣味が合うとか、べらぼうにカッコいいとか、全てを満たしてなおかつ自分を好きと言ってくれる人とか、
実在するかはさておき、出会えそうな予感がしてきちゃう街ですよね。
ありがたいことに自分は数年経っても会える友人が居て、顔写真も出してないのにツイッター経由でご新規リアル(笑)したり、会いたいと思う人が関東圏に沢山いる。
「会いたい人に会いに行く。」
それが東京へ行く、一番の目的。
④地方都市の「都市」という側面にかなり救われている
これは凄く感じてる。
デパートや駅ビルもあれば、ス○バの限定フ○ペチーノだって飲めるし、
週末になれば人が集う飲み屋もある。
地方都市は地方都市なりに人が集まって来ていて、地方から来た人にしてみれば地方都市だって十分過ぎる程の環境だったりする。
実は全くのド田舎って住んだことがない自分は、結構甘ったれてるし、環境としては恵まれているんだとようやく分ってきた気がします。
⑤ツイッターは見るな。
すんげー極論だけど、Uターン前からツイッターやってると、「東京住みゲイのタイムライン」になるんですよね。
こちらにはタイフェスもないし、ノーパンで長蛇の列に並ぶこともないし、電車の遅延に憤ったりしない。
フェイスブックで、「結婚しました」「子供が生まれました」的な報告ばっかり並んでると眩しさでやられるように、ラピュタのポムじいさん状態になっちゃうわけで。
だから見るなとは言わないけれど(言ったけど)、逆に「私充実してます」的な見せつけるツイート出来たら良いよねって思う。
よそはよそ、うちはうち。
⑥幸福追求権ならぬ快楽追求権を
下ネタじゃないです。
いや、下でもいいけど。
世の中にはままならない事も多々あれど、楽しい事は幾らでも存在していて、いくら時間があっても足りないわけです。
だから「自分がどうありたい」か分からないのなら、楽しいへ帰結する方向へ向かっていけばそれでいいじゃんって思ってる。
⑦この記事の終わらせ方を見失った
色々書いてきたけれど、なんかもう着地点が見えなくなってきた!
上に書いた通り、最近は楽しむことを大事にしているので、幸せだなあって感じております。
それでもまだ悩むし、「自分はどうありたいのか」はまだ分からない。
だけどそれは場所ありきで考えなくたっていいんだと思えてきた事が、最近の収穫です。
うーん、きちんとまとまっているかは甚だ怪しいけど、こんな感じです。
(追記)
後日談的な